柔らかい波がぼくを殺す



微笑みなどいらなかった
ただ一羽 空を舞い続けた
温もりなどいらなかった
濡れた翼で 翔べる筈がない

無心に築いていた壁は
砂の城より脆かったと
崩れ始めてようやく気付いた







    



2009/9/5  しき