秒と億と街





見渡す限り 私と同じ
二本の脚 露出した皮膚
大きな頭は下を向く
絶えることのない群れは
蜂のように 蟻のように

愛の故にと
国の為にと
生命の神秘を讃えて
ふと気付いてみれば
片手では零が足りない

秒針が時を刻む音を
一つしか知らないというのに






零=ゼロ

    



2009/9/18  しき