花葬
垂れ籠める雲を抱き
零れる体温を手放した
空の下
左の手だけが酷く
酷く熱を帯びて
疾うに離したというのに
その頬を飾った花が
再び咲かないように
不香の花が覆う
胸元に一つ
牡丹を
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2010/9/9 しき